ビーバーやカピバラに似ている動物、ヌートリアって??

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ヌートリアってご存知ですか??

おそらく大半の人にとってはあまり馴染みのない動物なので、ヌートリアと言われてもピンとも来ないし、よく分からないという方も多いのではないかと思います。

私は以前、国内のとある公園で偶然にもヌートリアを見かけたことがあるのですが、それまでは名前、存在すら知りませんでした。

初めて見た時には茶色い姿から一瞬タヌキかと思いましたが、よく見るとぜんぜん違う。

横から見ると、四角っぽいお顔からカピバラかとも思いましたが、カピバラがこんな所にいるわけがないしビーバー?!と存在感のある謎の生き物にびっくりしたのを覚えています。

見た目はビーバーやカピバラのようにも見え、可愛らしい姿のヌートリア。

今回はビーバーやカピバラとの違いや、ヌートリアを見かけた場合の対処法について調べてみました。

ヌートリアはビーバーやカピバラとどう違う??

ヌートリア、ビーバー、カピバラは一見すると似ているように見えますが、尾を見れば簡単に見分ける事ができます。また、生息地にも違いがあります。

カピバラ

まずはこちらがカピバラです。カピバラには尻尾はありません。体長は105cm~135cm程あり、体重は35kg~65kg程。世界最大の齧歯類で、大きいものだと、イノシシぐらいのサイズです。

野生のカピバラは、南アメリカ東部アマゾン川流域を中心とした水辺に生息していて、国内では1965年、山口県の周南市徳山動物園で初めて飼育されて以降、各地の動物園で飼育されています。2015年に沖縄県石垣島で、飼育施設から逃走したカピバラが野生化し、稲を食べる食害が発生したのを最後に、目撃情報はよせられていないようですので、野生化したカピバラを国内で見ることはないでしょう。

ビーバー

そして次はこちらがビーバー(アメリカビーバー)です。ビーバーは平たい尻尾が特徴です。体長は74cm~90cm程、尻尾の長さは25~33cm程あり、体重は11kg~30kg程あります。カピバラと比べると、少し小さいです。

野生のビーバーは、アメリカビーバーとヨーロッパビーバーがいますが、アメリカビーバーはカナダからメキシコまでの(砂漠地帯を除く)広い地域の河川や湖、池などに生息しています。
ヨーロッパビーバーはユーラシア大陸の広い地域の河川や湖、池などに生息していますが、一時期は個体数が激減し、IUCN(国際自然保護連合)により、絶滅危惧種(EN)としてレッドリストに指定されていました。近年では増加傾向にあり、低危険種(LC)として指定されています。

国内では1956年に戦後の東山動物園(現在の東山動植物園)にアメリカのメンフィス市から贈られた2頭のビーバーの飼育が開始されて以降、各地の動物園で飼育されています。国内でビーバーが逃走したなどという情報はありませんので、野生化したビーバーを国内で見ることはないでしょう。

ヌートリア


そして最後にこちらがヌートリアです。特徴は細長い尻尾。体長は50~70cm程あり、尻尾の長さは35~50cm程、体重は6kg~9kg程の大きさです。ビーバーと比べるとやや小さいです。

野生のヌートリアは南アメリカの中部、南部の河川や湖、沼沢地に生息しています。第二次世界大戦の頃には良質な毛皮を持つことから、毛皮を取るために世界各地で飼育され、その後野生化しています。

国内でも同じく、毛皮を取るために輸入され飼育されていたものが、その後遺棄され野生化し、絶滅危惧種に指定されるベッコウトンボの生息地を壊滅させたり、農作物への被害、水田の畦やため池などを破壊する被害が発生したことで、侵略的外来種として問題となっています。
(国内の一部の動物園ではヌートリアの姿を見ることができます。)

野生化したヌートリアの国内での分布域

国内では、特に近畿地方、中国地方を中心に分布しています。

山口県、広島県、島根県、岡山県、鳥取県、兵庫県、京都府、大阪府、奈良県、滋賀県、福井県、三重県、岐阜県、愛知県、静岡県、長野県などで確認されているようです。

ヌートリアを見かけたら?

ヌートリアは外来生物法という法律によって、『特定外来生物』に指定されています。
『特定外来生物』とは、もともと日本にいなかった外来生物の中でも、生態系などに被害を及ぼすものに指定されます。
原則として『特定外来生物』に指定されたものを、飼育や販売、運搬や保管、輸入することなどが禁止されています。

また、『狩猟鳥獣』でもあるので、狩猟以外で捕獲するためには『鳥獣保護法』による許可が必要です。

可愛らしい見た目のヌートリアですが、野生動物ですので病気を持っている可能性もあります。見かけたら、むやみに近づかず、立ち去るのを待つのが得策のようです。

その後は、お住まいの自治体にヌートリアを目撃した場所や時間などを連絡しておきましょう。
(心が痛みますが、その後は必ずしも殺処分というわけではないようです。。長くなるので割愛します。)

最後に

私がヌートリアを目撃した場所は、過去には確認されていなかった場所のようでした。
少しずつ生息域を広げているので、近くにヌートリアが現れる時がくるかもしれません。

ヌートリアは、興奮して暴れたりすると、噛み付いたり引っかいたりすることもあるようです。
顎の力は強く、鋭利な爪も持っているので、大人はもちろん、好奇心旺盛な子供が刺激しないように注意してあげないといけませんね。

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